App Store のランキングはどうやって決まるのか? その2
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こんにちは、Excel 大好きの Iwasaki です。
前回は、ランキングを決める要因について書きました。
たくさんのアクセスありがとうございました。
軽くおさらいしておきますと:
1. ダウンロード数
2. 売上金額
3. 市場規模
4. 寡占係数
5. 起動頻度とアップデート数
1と2をひっくるめて売上と呼ぶことにしました。
5は無視することにしました。
結局、売上、市場規模、寡占係数の3つのパラメーターで順位が決まります。
それぞれに変動要因があって なかなか複雑ですが、なんとか関係式を導いてみましょう。
まず、前日分や前々日分の売上の加味しかたです。
以下のサイトに、推定された計算方法が書かれています。
それによると:
Day*0.4 + (Day-1)*0.25 + (Day-2)*0.25 + (Day-3)*0.1
つまり、当日に0.4、前日と前々日に0.25、3日前に0.1 を掛けるという方式です。
しかし、自分が解析した感触では、当日分の比重がもっと高いように感じました。
また、2日以上前の分まで計算するのは面倒なので、無視することにして、
Day*0.75 + (Day-1)*0.25
という式を使うことにしました。
なお、木曜日にリセットされるとの噂ですので、木曜は生データを使います。
次に、曜日変動はかなり大きいので、土日の売上を補正することにしました。
国内スポーツ無料カテで調べたところ、土曜が平日の1.4倍、日曜が1.6倍程度でした。
そこで、土日の売上をこの数字で割って補正します。
そして、いよいよ式を求めます。
まず、市場規模と寡占係数は一定の条件下では定数になると予想されます。
つまり、ある短い期間で1つのアプリを使って解析すればいいはずです。
そうすると、
順位 = f (売上)
または、
売上 = g (順位) ただし g は f の逆関数
と単純化できます。
グラフにした場合、f にしても g にしても、極端に右肩下がりの双曲線に似たカーブを描きます。しかし、双曲線ほど単純ではなさそうです。
そこで、順位と売上をなんらかの関数で加工したのち、両者を散布図にプロットして直線近似が得られないかと考えました。
いろいろ試した結果、上の図のように直線近似できそうなグラフができました。
データは「ジャンプ測定」の国内スポーツ無料カテゴリーでの順位と国内DL数の3週間分のデータで、最高順位は2位、最低は24位でした。
加工に使った関数は、企業秘密ってことで伏せさせていただきますが、そう複雑なものではありません。
直線近似させてみたことろ、相関係数は 0.929 となかなかでした。
直線近似なので、大まかでいいなら3週間分のデータなど必要ではなく、たった2日分のデータで式を導く事が可能です。
曜日の補正は必要と思います。
ただし、国やカテゴリーによって係数は若干異なります。
前日分の加味補正については、大きな差がないなら当日分だけで大丈夫でしょう。
1ヶ月程度の短い期間で、最も順位の高かった日と、低かった日の2組の順位と売上を入れれば近似式が得られます。
以上、数学的でやや難解な説明だったかと思いますが、要するにたった2組のデータだけで推定が可能になったことだけ、ご理解いただければ嬉しいです。
次回は、この近似式を使って具体的にどんな推定ができるのかを書くつもりです。
てことで、ではまた!
順位<>売上 1.1(¥300)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
販売元: Masayuki Iwasaki(サイズ: 0.2 MB)
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