虹メガネ(分光メガネ)のススメ

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こんばんは、計測マニアのイワサキです。
 

「色メガネで見る」というと、偏見を持って見るという意味ですが、今日お話しするメガネは、そうではなく色を見るための、色メガネならぬ虹メガネです。より正確にいうと分光メガネ (英語で造語するなら spectroglasses?) でしょうか。

 

1. 分光器とは?

世の中には様々な色があふれています。

ヒトの色覚はRGBの三原色で成り立っていて、その組み合わせで数十万もの色を区別できます。それはそれで素晴らしいことなんですが、波長の違いをどれだけ細かく区別できるか、つまり波長分解能となると、たったの3ということになります。

科学の世界では、分光器という分析装置がよく使われますが、本格的なものでは、波長分解能が数百〜数千あります。CDやDVDで手作りできる簡易分光器でも、波長分解能は100位はあります。つまり百原色。400-800 nm の可視光域を100分割して、描こう思えば100個の点からなるスペクトルのグラフが描けるわけです。私も回折格子シートで自作した簡易分光器をいくつか持っていて、グラフは滅多に描きませんが、生のスペクトル(虹のようなもの)で蛍光灯の輝線を見ると、どこまでもピュアな色が息をのむ美しさです。

外出時に簡易分光器を携行すれば、街中の色んな光源のスペクトルが見れて楽しいんでしょうが、荷物は最小限にしたい性格なので、これまで携行しようという気にはなりませんでした。

 

2. なんちゃって分光器?

ところが先日、外出中に寒さでメガネが曇ったせいで、不完全ながら点光源の周りに分光された虹が見えました。それでハッと気付いたんです。点光源ならスリットなしの回折格子シートだけで分光できるから、回折格子シートをメガネに貼り付ければ、いつでもどこでも分光できることに。

手持ちの回折格子シートはミリ1000本でスペクトルが長くなりすぎるので、ミリ500本のを買いました。150 x 300 mm サイズで1000円。これから 6 x 30 mm の長方形を切り出したので、単価を計算すると4円になります。これをメガネの左レンズの上端に合わせて、セロテープで止めました。工作に要した時間は5分。

 

3. 何が見える?

まず、外に出て満月に近い月を見ました。見事な連続スペクトルです。波長分解能が20程度なのでフラウンホーファー線は見えませんが、もし見たいのなら、細いスリットをかざせば多分見えるでしょう。次に街灯を見ました。青と緑の間に暗くなった波長域があるので、白色LEDであることが分かります。遠くの家の窓の明かりを見てみます。紫、青、緑、橙、赤などが分離して見えます。つまり輝線が見えているので蛍光灯です。次に自分の車のヘッドライトを見てみます。メタルハライド・ランプの分光は初めてでしたが、蛍光灯より多い6つ以上の輝線が見えました。

ということで、なかなか楽しめるアイテムです。光源の種類を識別して喜ぶ人はそう多くないでしょうが、純色の虹をいつでも見れるというのは、かなり癒しにはなります。

皆さんも4円と5分で「常時分光」の世界へいかがですか? 視野の上方1/5程度なので日常生活では気になりませんし、運転の邪魔にもなりません。周囲から気づかれる心配もほぼありません。ただ、会合や飲み会の席で、虚空を見つめてニヤニヤしてたりすると変人と思われるでしょう。私はすでに変人で通ってますので、何の問題もありませんが。

 

4. その他のカスタム・メガネ

フィルター的なものをメガネの上端に貼り付けるアイデアは、他にも2つほどあります。2009年の皆既日食の時には、日食用フィルム(ND10000位のフィルター)を同じように貼り付けて臨みました。いちいち日食グラスを手で持ったりせず、視線をずらすだけで部分日食時の食分が確認できて、とても重宝しました。

偏光シートを貼り付けるのもアリだと思います。対向車の運転手の顔が見たい時とか(窓ガラスの反射が激減します)、太陽が雲に隠れている時に、一部見える青空から太陽の位置を割り出したい時とか(虫たちがやっているという方法)。釣り人なら下端に貼ると水面下が見やすくなっていいかもです。市販の全面偏光グラスの方が、サングラスの代りにもなるし使い易いかもしれませんが。

 

 
今回はメガネに光学フィルムを貼るアイデアでした。

てことで、ではまた!
 

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