デジタル一眼を買った初心者が最初にすべきこと:その3 絞りの効果を知る

公開日: : 最終更新日:2014/08/07 ブログ, 写真・カメラ

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こんにちは、Iwasaki です。
 

前回までに、初心者は単焦点レンズを使って絞り優先モードで撮影することをオススメしてきました。

前回説明した方法で、最小F値(絞り開放)から最大F値まで、何枚かの写真が撮れましたか? これらの写真を比較して、絞りの効果を確認していきましょう。
 

↓ まず気がつくのは、背景のボケ方の違いでしょう。

F2.5

↑ 35mm判換算で 約33mmF2.5 相当の画像

F18

↑ 35mm判換算で 約33mmF18 相当の画像

F値が小さいほど絞りが開かれ、ボケが大きくなってますね。

逆にF値が大きいと、ボケが小さくなって、被写界深度が深くり、どこにでもピントが合ったかのような画像になっています。
ボケの大きさと、F値およびレンズの焦点距離との定量的な関係は、以前の記事で詳しく述べました。
 

このように背景がボケることを後ボケといいます。
主被写体の手前にある物(前景)も写っているのなら、それもボケていると思います。
これを前ボケといいます。
画面に対するボケの大きさは、主被写体とボケ対象までの、それぞれの距離の逆数の差にほぼ比例します。主被写体が2メートルのとき、10メートルの背景のボケ(1/2 – 1/10 = 0.4)よりも、0.5メートルの前景(1/0.5 – 1/2 = 1.5)の方が4倍ほど大きくボケます。
 

意識的にボケを活かした撮影法を「ボケ表現」と言います。逆に、写っている全ての物をほとんどボカかさない撮り方を「パンフォーカス表現」と言います。

この2つを意識的に使い分けられるようになれば、初心者からの脱却まぢかです。
 

絞りの効果には、ボケ以外にもいくつかあります。

前回書きましたように、絞りを1段絞るごとにシャッタースピードが2倍(1段)長くなります。ですので、極端に暗い場所や、明るくてもパンフォーカス表現のときには、手ブレが起きやすくなります。

まずは、遅めのシャッタースピードで実際に何枚も写真を撮り、自分の手ブレ限界のシャッタースピードを知りましょう。

よく言われる手ブレ限界の目安は、1 / 焦点距離(35mm判換算値)で、標準レンズなら 1/60秒くらいです。構え方やシャッターボタンの押し方で随分変わって来ますので、ヒマなときに練習して目安かそれ以上を目指しましょう。
ちなみに、手ブレ限界はカメラによっても異なります。一眼レフ(クイックリターンミラー&フォーカルプレーンシャッター)よりミラーレス一眼(フォーカルプレーンシャッター)、さらにコンパクトデジタル(レンズシャッター)の方が機構上、手ブレが起きにくく、最も手ブレが起きにくいのは電子シャッターです。
 

さて、自分のカメラとレンズでの手ブレ限界が分かったとして、それよりもスローなシャッターを切りたいときには、どうすればいいのでしょう?

2種類の解決策があります。

ひとつは、ISO感度を上げることです。2倍(1段)上げれば、シャッタースピードが半分で(1段早くて)済みます。ただし、上げすぎるとノイズなどで画質が落ちますので、どのくらいまでなら許容できるのか、自分のカメラで調べておきましょう。
ISOオートの機能を使うと自動的にISOを上げてくれて便利ですが、許容できる上限を設定しておけば さらに安心です。
 

もうひとつの解決策は、三脚などでカメラを固定することです。ただし、いくら頑丈な三脚で固定しても、手ブレは防げても被写体が動いた場合に起こる被写体ブレは防げません。
 

絞り込んだときに起きる、もうひとつの効果(デメリット)は、回折ボケ(または小絞りボケ)です。これについては以前の記事で詳しく述べました。

どのくらいのF値から回折ボケが目立ち始めるかというと、鑑賞サイズにもよりますが、35mm判換算F値で おおむね F22あたりです。つまり、APS-Cでは換算前でF16、フォーサーズでは F11あたりになります。
 

以上、絞り込むとデメリットが多いかのような書き方をしましたが、やたらと開けばいいというわけではありません。

次回は、絞りを開きすぎたときのデメリットを解説したいと思います。

てことで、ではまた!

 

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カテゴリ: 写真/ビデオ, ユーティリティ
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