天体写真の固定撮影で 恒星が流れず点に写る最大秒数の計算法 〜 レンズ焦点距離、画素数、撮像素子フォーマットとの関係
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こんにちは、Iwasaki です。
天体写真の固定撮影とは?
本格的な天体写真を撮るには、赤道儀というモーター付きの雲台を三脚に取り付けて、恒星の日周運動を追尾しながら長時間露出で撮影します。
ところが最近のデジカメは感度が上がったため、固定撮影の短時間露出でもそれなりの写真が撮れるようになってきました。固定撮影とは、単にカメラを三脚に取り付けて、追尾なしで撮影する方法です。当然、長い露出時間だと恒星が流れて写りますが、ISO値を上げれば短時間の露出で済むわけです。
許容最大秒数
固定撮影では、何秒までの露出なら、恒星が流れずに点として写るのかを知っておく必要があります。この許容最大秒数は、レンズの焦点距離、画素数、撮像素子フォーマットなどで変わってきます。
計算方法は後で示すとして、先にざっくり結論を言いますと、標準レンズで4秒、広角で8秒、円周魚眼で20秒程度です。
許容秒数は、総画素数の平方根に反比例します。
つまり、縦画素数(または横画素数)に反比例します。
また、許容秒数は、焦点距離にも反比例します。
35mm判フルサイズ換算の焦点距離を使えば、撮像素子フォーマットにはほとんど関係しません。
計算結果と実写結果
エクセルで作った計算表を見てみましょう。
画素数は実質的には5MP程度で使うことが多いと思います。50mm近辺の標準レンズでの許容秒数は3.6秒になっています。上で述べた標準レンズで4秒とはこのことです。
カメラ:マイクロフォーサーズ機 Panasonic DMC-G6
レンズ:20mm F1.7 (つまり35mm判換算で40mm F3.4)
条件:ISO 800 露出6秒
画素数と切り出し:8MP(3264×2448画素)の中心部320×320画素
撮影地:福岡市の市街地
8MPで40mmの条件では、このエクセル表で計算すると許容秒数は3.6秒となります。その約2倍の6秒で撮れば、2ピクセル分ほど流れる計算になりますが、実際の画像でも、右下方向にわずかに流れています。
表をよく見ると、さきほど述べた反比例の関係が認められます。また、ブログに使う程度の縦画素数577程度なら、標準レンズで11秒の露出でも大丈夫だと分かります。
計算式
恒星の日周運動が24時間で約360度、つまり1時間あたり15度というのを利用して、画素ピッチ分の視角だけ動くのに何秒必要かを計算しました。
以下の計算式を使いました。
[縦画素数]=([総画素数]/1.5)^0.5*1000
[画素ピッチ]=24/[縦画素数]
[許容秒数]=ATAN([画素ピッチ]/[縦画素数])/PI()*180/(15/60/60)
何かのお役に立てば幸いです。
てことで、ではまた!
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