デジタル写真の最大の弱点は信頼性!?
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「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」
こんにちは、Iwasaki です。
いまさらアナログ写真に対するデジタル写真の利点・欠点を書くのも気が引けるんですが、10年以上前に書いた文章から抜き出してみます。
◆ 利点: 即時性、経済性、通信しやすさ、加工しやすさ、再現性、キズ・ゴミ・銀塩ノイズの少なさなど
◆ 欠点: 表示・検索の遅さ、加工・改竄・著作権などの問題、保存の安全性の低さなど
このように、欠点よりもはるかに多くの利点があるため、デジタルがすっかり定着し、いまさらアナログに戻るという選択肢は、個人レベルならともかく社会全体としては考えにくい状況です。
デジタル写真への転換から10年以上たった今、当時から指摘されていた欠点は解決されるどころか、ますます鮮明になって来た気がします。そこで今回は、この欠点について再考してみることにします(今回、表示・検索の遅さについてはスルーします)。
デジタル写真の最大の弱点は、一言でいうと 信頼性の低さです。
具体的には、写真の内容に関する信頼性 と 保存に関する信頼性 の2つ。
写真の内容に関する信頼性の低さ
これは、「真実を写す」はずの写真の存在価値すら揺るがしかねない大問題です。
なぜ、写真が真実を写なくなったのか?
(1) 撮影者や編集者が行う画像処理の行き過ぎによって、意図的にまたは意図せずに「真実が歪められる」
(2) 高感度撮影におけるノイズ除去のための画像処理によって、意図せずに「真実が歪められる」
(3) コピペが簡単なため、不適切な引用で「真実が歪められ」たり、写真の著作権が侵害される
(1) の具体例としては、プリクラ等のデカ目・美白処理、アプリによるボケ追加、綺麗すぎる夕焼けなどがありますが、これらはユーザー側が意識していれば避けることは可能です。一方、(2) の画像処理は、写真の細かい部分に関することではありますが、カメラメーカーが行っている処理なので、ユーザーは気づかない場合が多いので危険です。(3) に関しては、たとえ悪意はなくても、ついうっかりで真実を歪めたり、著作権を侵害していたりということが起きうるので細心の注意が必要です。
要するに、写真を見る側の立場から言えば、アナログ時代には必要なかった「形、色、状況、作者などが本物かどうか疑ってかかる姿勢」が必要な時代になったということです。
個人的には、少しでも「真実を歪めた」可能性のある絵は、写真とは呼ばずに「画像」と読んで区別するなどの方策を考えるべき時期なのかなと思っています。
しかしこの問題、あまりに大きすぎるので、詳細はまた別の機会に譲ることにします。
保存に関する信頼性の低さ
一方、保存に関する信頼性の低さは、単なる技術的な問題です。
それなのに10年以上たった今でも、スッキリ解決されてないのは嘆かわしいことです。
大容量でコスパがそこそこで100年位は絶対安心な記録媒体が、現時点では存在しないからです。100年どころか、10年持つ媒体すら少ないんですから、もうなんと言えばいいのか。
今まで私が使ったことのある媒体を挙げてみると、音楽用カセットテープ、ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスク(MO)、CD-R、DVD-R、ZIPディスク、Jazディスク、USBフラッシュメモリー、ソリッドステートドライブ(SSD)、、、なんと10種類もありました。
今はもう実質的に読めない媒体が大部分を占めます。
ずいぶんと無駄な投資をしたものです(遠い目)。
なぜ、記録媒体が読めなくなるのか?
読めなくなる原因として、(1) トラブル、(2) ハードの規格変更、(3) ソフトの規格変更 の3つのパターンがあります。
(1) まず、光関係のディスクは、記録膜の経年劣化により数年で読めなくなる事故が頻発します。磁気のディスクも機械的な故障で読めなくなるトラブルが起こりえます。ディスクが大丈夫でも、ディスクドライブが故障して修理不能、再入手不能ということもあります。
(2) そういうトラブルが起きなかった場合でも、数年たつとディスクを読むためのドライブを捨ててしまったり、新しく買ったパソコンとコネクタ形状が違うため接続できなかったり。
(3) ファイル形式を .pict で保存してたら、現システムでは読めるアプリがなくなってしまったとか。
これらのどれか一つでも起こると読めなくなってしまうわけです。
命の次くらいに大切な写真だってあるのに、です。
まったく情けない話ですね。
技術革新って、人を幸せにするためじゃなかったの?
嘆いてもしょうがないので、現実問題としてなんとか次善の策を探す必要があります。
どう保存すればいいのか?
今のところ、私が取っている次善の策は以下の通りです。
◆ ファイル形式は .jpg か .tiff を選ぶ。
◆ ハードディスクなど、現時点で最もコスパのいい媒体に入れ、随時最新のシステムに移植していく。
◆ 複数の場所に、複数種の記録媒体に、予備を置いておく。
・他人が運営しているサーバーやサイトなどにも予備を置いておく。
・集合写真などは、ファイルやプリントを友人に送る。
とにかく、現時点で絶対安心な方法はないので、予備をできる限りばらまいてリスク分散しようというわけです。
以上、デジタル写真の保存について書きましたが、写真ファイルに限らず、楽曲ファイル、文書ファイル、電子書籍など、あらゆるデータの保存についても同じことですよね。
結局、確実に長期間残したいならデジタルでなく現物?
てことで、ではまた!
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