フルサイズのイメージセンサー(撮像素子、撮像板)のメリット その1:換算倍率とボケ円径

公開日: : 最終更新日:2014/08/11 ブログ, 人さまのアプリ, 写真・カメラ

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こんばんは、Iwasaki です。
 

以前書いたデジカメ選びの基準の記事では言い足りないことがあったので、また記事を書くことにしました。

今回は、フォーマット、つまり撮像板サイズ(センサーサイズとも言いますが)の違いに焦点を当てて、それによって写真や撮影スタイルがどう変わるのかを考えてみましょう。
 

フォーマットと換算倍率

まずは、代表的な撮像板サイズを具体的に見てみましょう。

kanzanx

あまり本質的ではないですが、まず触れておかねばならないのは、一番右の縦横比(アスペクト比)が2種類あることです。
一眼レフと一部のミラーレス一眼(Nikon 1)は 3 : 2( = 1.50 )、ミラーレス一眼の大部分やコンパクトデジタル、スマートフォン付属のカメラなどは 4 : 3( = 1.33 )になっています。

換算倍率を求めるとき、仮に縦横比が1種類しかなかったら話は簡単で、縦か横のどちらか片方をフルサイズと比べればいいのですが、2種類あるために縦か横のどちらを取るかで変わってしまいます。
そこで苦肉の策として、[フルサイズの対角長] ÷ [そのフォーマットの対角長] をもって換算倍率とするのが一般的となっています。

さて、この換算倍率はとても重要です。
換算倍率はふつう、レンズの焦点距離を 35mm判(つまりフルサイズ)相当に換算するために使いますが、それだけではありません。

これからのお話は、すべてこの換算倍率が関係します。
縦横比や縦横それぞれの寸法などは 覚える必要ありませんが、換算倍率は 興味のあるフォーマットだけでも覚えておくと便利です。

フルサイズは それ自身が基準(分子)になるので、当然 換算倍率は 1倍、中級および入門者向け一眼レフの多くが採用している APS-C は、メーカーや機種によって若干の違いがありますが 1.5〜1.6倍、ミラーレス一眼は約 2倍、コンパクトデジタルカメラは 6倍前後、iPhoneのカメラは約 8倍です。ちなみに、中判デジタルカメラはフルサイズより更に大きく、換算倍率は 1未満ですが、一般的ではないのでここでは述べません。

この表に載ってないカメラで換算倍率を求めたい場合、カタログを見ても撮像板サイズが分からない場合も多いですが、レンズの項目に必ず書いてある [35mm判換算の焦点距離] ÷ [実際の焦点距離] で求めることができます。正確な換算倍率を計算するには、望遠端の数字のほうが大きいので適しています。
 

フォーマットで差が出る3つのケース

さて、こうして見ると実に様々なフォーマットがあり、換算倍率にして 1倍から約8倍までの広い範囲に散らばっていることが分かります。

では、この撮像板サイズの違い、つまり換算倍率の違いによって、写真はどう変わるのでしょうか?

結論から言いますと、以下の条件のどれかに当てはまらない限り、フォーマットが変わっても写真自体はそう変わりません。

・ボケ表現を使う
・光量不足の所で撮影する
・大きく拡大して見る

実際、ブログなどに載っている写真の大半は、上の条件にひっかかりませんので、その写真がどんなフォーマットで撮られたのか、プロにも分かりません。

それなら、わざわざ重くてかさばるカメラを持ち歩く意味はないでしょう。

ごく大雑把に言って、カメラの体積や重量は 換算倍率の3乗に反比例すると理論的に予想できます。フルサイズ機が 2500gとして計算すると、APS-C機が 700g、フォーサーズ機が 300g、コンデジが14g、iPhone(のカメラ部分)が5gになります。コンデジ以外はだいたい合ってる感じですかね。

iPhone などと比べると、フルサイズ機は何百倍も重いので、登山に持って行くなどはよほど体力がない限り論外ですね。実際、私もボディだけで 1kgを超えるフルサイズ機は、わざわざ車で撮影に行くとき以外、ほとんど持ち出さなくなりました。iPhone だけでこと足りることが多いからです。
 

しかし現実には、大きなフォーマットを使いたがる人が、私を含めて少なからずいます。それはフォーマットによる差が出るような写真を撮りたいからです。つまり、上の3つの条件のどれかに該当する写真です。
 

ケースその1:ボケ表現を使う

ボケ表現を使いたいなら、より大きいフォーマットのカメラが圧倒的に有利です。
ボケの大きさというのは、直接的には撮像板サイズと全く無関係で、レンズだけで決まるわけなんですが、使えるレンズがフォーマットで限られてしまうので、間接的にそうなってしまうわけです。

詳しい解説は、以下の記事に書きました。
おヒマなときに、最初のほうだけでもどうぞ。

 サルでも分かる、ボケってなに?〜初級者編
 サルには分からない、ボケの極意〜中級者編:ボケ円径の計算法
 マニア向け ボケのすべて〜上級者編1:有限距離のボケ円径と前ボケの計算法
 マニア向け ボケのすべて〜上級者編2:二線ボケなどのボケ味を考える
 マニア向け ボケのすべて〜上級者編3:ボケ円径の実測とボケ味の評価
 マニア向け ボケのすべて〜上級者編4:回折ボケ

ポイントは、焦点距離に換算倍率を掛けて35mm判換算値にするなら、F値にも必ず換算倍率を掛けて35mm判換算値にすることです。そうすればフォーマットに関係なくボケ量(ボケ円径 = 焦点距離 ÷ F値)を予測できます。

例えば、iPhone 5 のレンズは 4.13mmF2.4 で換算倍率が約8なので 35mm判換算値は 33mmF19 となり、すごくボケにくいレンズであることが分かります。

では実際に、iPhone 5 とフルサイズ機を比較してみましょう。

iphoneF19

↑ まずは、iPhone 5 で撮った写真です。
Exifデータを見ると、4.13mm、F2.4 となっています。
ボケ円径 = 4.13 / 2.4 = 1.72 mm です。
フルサイズ換算では 33mmF19 です。バックがわずかにボケています。

F18

↑ 次に実際にフルサイズ機で、約33mmF18 で撮った画像です。
画角、ボケ量ともほぼ同じに写っています。
やはりF値も必ず換算値にしないといけないことが分かりますね。

F2.5

↑ フルサイズ機で、約33mmF2.5 で撮った画像です。
ボケ円径 = 33 / 2.5 = 13.2 mm です。
iPhone とほぼ同じF2.5なのに、ボケ量は圧倒的に大きい事が分かります。
 

長くなりましたので、今日はこの辺で。

次回は、「光量不足」や「大きく拡大」で、フォーマットによる差がどう出るかについて書くつもりです。お楽しみに!
 

てことで、ではまた!

 

↓ 今回、Exifデータを見るのに使ったアプリと、ボケを予測する自作アプリ


Exif Wizard 3.2(無料)
カテゴリ: 写真/ビデオ
販売元: homedatasheet.com, Inc.(サイズ: 0.2 MB)


ボケ予測 1.4.1(無料)
カテゴリ: 写真/ビデオ, ユーティリティ
販売元: Masayuki Iwasaki(サイズ: 1.3 MB)

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